呼吸器外科

はじめに

 2010年4月から当院で呼吸器外科の本格的な活動が始まって4年が経過しました。手術件数も徐々にではありますが増加してまいりました(図1)。社会の高齢化に伴い、ますます呼吸器疾患の増加が予想され、呼吸器内科や放射線科など協力を進めながらいかなる疾患にも対応していきたいと考えます。
 2010年の開設当初は外科の先生方の協力で外科の1部門として始まった呼吸器外科も2011年4月から呼吸器外科学会の関連施設として認定を受け、より活発に活動し、2011年7月からスタッフ1名が増員となり、より充実した診療を提供できるようになりました。昨年からスタッフの充実により緊急入院と手術などの対応が可能となって手術症例数が増加傾向にあります。外来診療枠も増加し、近隣の先生方からの紹介にも十分対応できるようになり、いろんな相談症例にも応じられるように努力していく次第です。院内では各診療科の相談にも対応し、また援助を受けながら難しい症例や臨時手術や救急への対応など幅広く活動が可能になってまいりました。今後も京都第二赤十字病院が地域医療の中心となれるように病・病連携あるいは病・診連携をより充実したものにしたいと考えています。

診療成績

 4年間の手術症例数の推移とその内訳を示します(図1)。原発性肺がんの手術件数は50例前後で著明な増加はありませんでした。後述しますが95%以上に胸腔鏡下手術が行われ術後1週間での退院が可能となっています。また緊急手術への対応の結果、自然気胸の手術件数が増加傾向にあります。図に示すようにいろいろな疾患への手術を行っております。

当院での肺がん手術の内容

 ほとんどの症例が胸腔鏡下手術となり、2か所の穴と4-6㎝の傷口から切除した肺癌を取り出しています。最近では手術時間も出血量も100ml以下と少なくなり、術後の入院日数もパス使用により7日程度となっています。しかし患者さんの安全を優先することが第1目標であり、それぞれの肺癌の大きさや進行度に応じて、必要と判断すれば手術の傷口を広げたりしています。さらに患者さんには治療を理解し、結果に満足していただくことが守られなければなりませんので、常に対話ができるように努めています。肺癌は手術のみで治療が終了するものではなく、最終的には切除病理判断ののち、術後の抗癌剤治療や放射線治療など呼吸器内科や放射線科と常にコンサルトしながら治療を進めております。
 昨年から病診連携パスが始まり、早期の肺癌に関してはより近所の開業医の先生方にもご協力をいただいて患者さんを見守っていくように進めております。

肺がん以外の手術について

 近隣の施設からの紹介と救急外来からの依頼で症例数が増加している自然気胸の治療について手術内容を説明します。
 5mm径の胸腔鏡(内視鏡)を使用し、5mmポート2箇所と自動縫合器のための2cmのポート1箇所で手術を行っています。最近若年患者(20歳以下)の術後の再発率が20%を超えるとの報告があり、再発防止が重要な課題となってきました。当院では症例に応じて胸膜被覆材(サージカルシート、ネオベールシートなど)の選択を行い可能な限り再発を起こさないように対処しています。多くの症例は術後2-3日での退院となっています。
 他院からの再発症例なども手術になることがあり胸膜癒着術後の症例などは手術に難渋することがありますので胸膜被覆には癒着の起こりにくいものを現時点では採択しています。

スタッフ

職 名 名 前 専 門 資 格
部 長 柳田
柳田 正志
呼吸器 日本外科学会認定医・専門医・指導医
日本胸部外科学会認定医
日本呼吸器外科学会専門医
日本呼吸器外科学会評議員
日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
肺がんCT検診認定医師
日本臨床外科学会評議員
医 師 松浦 吉晃   日本外科学会専門医

地域とのつながり

 京都第二赤十字病院の大きな使命の一つとして地域の中核病院として重要な役割を果たすことがあります。医師会の先生方との病院を挙げての交流は、講演会 研究会、飲み会などが多くあり、また市民健康講座を通じて患者さんや市民の皆様に参加していただけるように様々な催し物を行っています。呼吸器外科も積極的に参加しています。前述の肺癌の病診連携パスなどもさらに利用できるようにして参りたいと考えております。

外来当番表

患者さんの紹介については外来当番以外でも地域連携を通して頂ければ対応可能です

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
AM 松浦   柳田(1,3,5週)
松浦(2,4週)
柳田  
PM