血液内科

診療方針

  • 血液内科は貧血、血小板減少などから急性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器悪性疾患まで血液疾患全般を診療する科です。
  • 当院は日本血液学会研修施設であり、完全無菌室4床を備え、造血器悪性疾患を中心に血液疾患全般にわたり迅速な対応が可能です。
  • 種々の合併症を有した症例に対しても院内各科と十分連携をとり対応いたします。
  • 看護部門・薬剤部・検査部・リハビリテーション部門・栄養部門・緩和チームなど院内各専門スタッフと協力し、心理的ケアにも留意しつつ、患者さんの人生観、ライフスタイルに合わせ、十分なインフォームドコンセントのもと患者さんとともに治療法を選択します。
  • 入院はできる限り短期間とし、外来での化学治療を積極的に施行しています。
  • 当科は非血縁者間骨髄移植・採取認定診療科、さい帯血バンク登録医療機関であり、造血幹細胞移植に積極的に取り組んでいます。悪性リンパ腫や多発性骨髄腫に対する自家末梢血幹細胞移植、急性白血病、骨髄異形成症候群などの造血器腫瘍や再生不良性貧血に対する同種造血幹細胞移植(血縁骨髄、血縁末梢血、非血縁骨髄およびさい帯血移植)を実施しています。
  • 多施設共同研究に積極的の参画・参加することによって、患者さんに最新・最善の医療を供給しするとともに、血液疾患治療における新しいエビデンス(証拠)の構築に貢献することを目指しています。
  • 新薬の治験にも取り組んでいます。難治性の骨髄異形性症候群や高齢者の急性骨髄性白血病、難治性の再生不良性貧血に対する治験を実施中です。
  • 一方で治癒不可能な患者さんや高齢の患者さんにおいてはQOL(生活に質)を損なわない医療を決して忘れないよう心がけています。

症例数・治療実績

  新規症例数
  2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度
急性骨髄性白血病 13 14 9 13 11
急性リンパ性白血病 5 4 2 4 3
慢性骨髄性白血病 5 1 6 3 3
慢性リンパ性白血病 1 0 2 4 2
原発性マクログロブリン血症 4 3 4 3 2
慢性骨髄増殖性疾患 10 9 16 15 11
ホジキンリンパ腫 3 6 5 4 2
非ホジキンリンパ腫 49 54 55 51 49
再生不良性貧血 4 4 4 7 3
骨髄異形成症候群 20 49 21 13 27
多発性骨髄腫 9 14 7 14 15
特発性血小板減少性紫斑病 21 18 13 6 12
自家造血幹細胞移植 4 8 4 2 10
同種造血幹細胞移植 3 0 5 1 5

代表的な疾患とその治療方針

  1. 急性骨髄性白血病
      シタラビン(キロサイド)+イダルビシン(イダマイシン)にて寛解導入を実施し、寛解を獲得後3~4コースの地固め療法を行います。高リスク症例には第1寛解期に造血幹細胞移植を考慮します。急性前骨髄球性白血病にはレチノイン酸(ATRA:ベサノイド)±化学療法にて寛解導入を行います。
  2. 急性リンパ性白血病
     JALSG(日本成人白血病研究グループ)プロトコールまたはHyper-CVAD療法にて寛解導入化学療法を行います。さらに地固め療法を施行したのち、通常2年間維持化学療法を実施します。高リスク症例には第1寛解期に造血幹細胞移植、Ph陽性例にはチロシンキナーゼインヒビター(グリベックまたはスプリセル)併用化学療法を実施します。25~30未満の若年症例に対しては小児ALLプロトコールに準じた治療を行います。
  3. 骨髄異形成症候群
     アザシチジン(ビダーザ)による化学療法またはシタラビン(キロサイド)+アクラルビシン(アクラシノン)+G-CSF併用療法(CAG療法)による寛解導入療法を行います。
    65~70歳以下の患者さんには造血幹細胞移植を考慮します。
  4. 慢性骨髄性白血病
     慢性期の患者さんはチロシンキナーゼインヒビターであるダサチニブ(スプリセル)またはニロチニブ(タシグナ)にて治療を行います。有害事象(副作用)などで継続できない場合や治療抵抗性を示す場合は薬剤をもう一方の薬剤に変更するか、新規チロシンキナーゼインヒビターであるボスチニブ(ボシュリフ)の投与を検討します。分子生物学的寛解(原因遺伝子異常であるBcr-Abl遺伝子が高感度PCR法で検出されない)が長期にわたり持続する場合は臨床研究に参加していただいた上でチロシンキナーゼインヒビターの中止を目指します。移行期、急性転化の患者さんには化学療法後に造血幹細胞移植を考慮します。
  5. 非ホジキンリンパ腫
     びまん性大細胞型B細胞リンパ腫にはリツキサン併用CHOP療法を6~8コース実施します。高リスク症例は第1寛解期に、再発症例にはリツキサン併用DeVIC療法、CHASE療法などの救援療法を実施した上で化学療法に効果があった65~70歳以下の患者さんには自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を実施します。
    濾胞性リンパ腫にはリツキサン併用CHOP療法を6コース行います。再発症例にはリツキサン併用ベンダムスチン療法などを実施します。さらに再発を繰り返す症例には65~70歳未満であれば同種造血幹細胞移植の実施を目指します。
    末梢性T細胞性リンパ腫にはCHOP療法後自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法、再発後化学療法感受性症例には自己末梢血幹細胞移植、難治症例には同種造血幹細胞移植を考慮します。
  6. ホジキンリンパ腫
     ABVD療法にて治療を行います。治療抵抗例にはブレンツキシマブ・ベドチン(アドセトリス)の投与を行います。再発・難治例には造血幹細胞移植を検討します。
  7. 多発性骨髄腫
     65~70歳以下の患者さんにはボルテゾミブ(ベルケイド)+エンドキサン+プレドニンにて寛解導入を図り、その後自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を行い、さらに維持療養を施行しできるだけ長期の寛解維持を目指します。66~70歳以上の患者さんにはボルテゾミブ(ベルケイド)+メルファラン(アルケラン)+プレドニンまたはボルテゾミブ(ベルケイド)+エンドキサン+プレドニンにて治療を開始し、ベルケイドまたはレナリドミドで維持療法を行います。また治療抵抗例にはレナリドミド+デカドロンまたはポマリドマイド(ポマリスト)などで救援治療を行います。
  8. 再生不良性貧血
     シクロスポリン+ATGにて治療を行います。PNH(発作性夜間血色素尿症)血球の測定を行い、効果発現の予測を行います。重症例・適応例には同種造血幹細胞移植を早期に実施します。
  9. ITP
     プレドニンの投与、ピロリ菌の除菌、脾臓摘出手術などを症例に則して組み合わせて治療、新規治療薬(レボレードもしくはロミプレート)も採用しています。

連携病院・開業医の先生方へ

 血液疾患はともすれば馴染みがたく理解しがたい印象があると推察いたします。そこでどのような些細なことでも相談していただければと考えています。お気軽にご連絡頂ければ幸いです。
 また血液疾患は時として緊急を要しますが、その際は迅速にベッドを確保するよう努めます。夜間や休日でも救命救急センターで対応(オンコール制)させていただきます。

スタッフ

職 名 名 前 卒業年度 専 門 資 格
副院長 Dr_kobayashi201610 小林 裕 S55 血液疾患
内科一般
日本内科学会代議員・指導医・認定医
日本血液学会指導医・専門医
日本輸血・細胞治療学会認定医
日本がん治療認定医機構暫定教育医
日本がん治療認定医機構認定医
造血細胞移植認定医
日本内科学会評議員
近畿血液学地方会評議員
京都府立医科大学客員講師
京都府立医科大学臨床教授
部 長 Dr_uoshima魚嶋 伸彦 S62 血液疾患
内科一般
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本血液学会代議員・指導医 ・専門医
日本造血細胞移植学会評議員・認定医・広報委員 
日本検査血液学会評議員
日本がん治療認定医機構認定医
近畿血液学会評議員
京都府立医科大学血液腫瘍内科客員講師
京都府立医科大学臨床教授
近畿さい帯血バンク臨床評価委員
細胞治療認定管理師制度協議会細胞治療認定管理師
日本骨髄バンク調整医師
日本輸血・細胞治療学会認定医
副部長 Dr_akaogi赤荻 照章 S54 血液疾患
内科一般
成人病
日本内科学会総合内科専門医・指導医
日本血液学会専門医
医 長 河田 英里 H12 血液疾患
内科一般
日本内科学会総合内科専門医
日本血液学会専門医・指導医
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
日本輸血・細胞治療学会認定医
医 長 佐々木 奈々 H15   日本血液学会専門医
日本内科学会総合内科専門医
日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
ICD制度協議会インフェクションコントロールドクター(ICD)
医 長 堤 康彦 H15   日本血液学会専門医
日本内科学会認定医
日本造血細胞移植学会認定医
日本骨髄バンク調整医師
医 師 伊佐 怜子 H24   日本内科学会認定内科医 
医 師 小森 友紀子 H24