心臓血管外科

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当科の沿革と理念

◆豊富な症例実績と安心できる医療の提供

 当院の心臓血管外科は平成6年4月の創設以来、手術症例は現在まで3,000例以上で、昨年度(平成28年)は181例の手術を行いました。
 最近の心臓血管外科学の進歩にはめざましいものがあり、当院でも手術危険率は緊急手術も含め極めて低くなりましたが、現実に手術を受けられる患者さんとその家族の方の不安感には当事者にしかわからない大きいものがあります。この点より、当科では手術成績のさらなる向上に努め、手術危険率0%を目指すことはもちろんのこと、手術を受けられる患者さんの術前と術後の精神的なケアに医師、看護師、他のスタッフともども十分に留意し、安心して心臓手術を受け、そして笑顔で退院し、また外来にこられる施設を目指しております。

◆患者会での交流促進と地域医療への貢献

 当院では、本ホームページでの当科の手術成績の開示、手術患者さんに対するクリニカルパスの導入、『かまんざ心臓病予防と対策友の会(患者会)』の結成などの取り組みを始め、当科の患者さんは心臓血管外科、循環器科、当院救命救急センターへ開業医の先生や他の病院から紹介されてこられる方の占める割合が大きいので、病診連携、病病連携の点からもこれらの先生方と緊密な連携のもと治療を行うべく、釜座循環器談話会の開催、心臓血管ホットラインの設置など、さまざまな試みを行っています。

◆最新の治療技術と研究による医療水準の向上

 当科では、欧米等で実施されている、患者さんに有益な最新の医療技術の導入は絶えず心がけています。さらに臨床研究にもスタッフ全員で積極的に取り組み、創設以来20年間で、各種の研究会、学会、講演などでの発表は443編、論文発表は55編となりました。今後も、京滋地区ひいては日本の心臓血管外科領域の医療水準の向上に寄与できる施設でありたいと考えています。

 

診療内容

<特徴>
 当院では救命救急センターを併設している為、重症心疾患患者、大動脈瘤患者の搬送も多く、最近では当科の手術における緊急手術、準緊急手術の割合は10%強にのぼっており、スタッフ全員が携帯電話により24時間緊急手術に対応できる体制をとっています。
 また当科の特徴の一つは対象年齢が広いことであり、手術施行患者の年齢は0歳の新生児から95歳の超高齢者にまで広がり、心臓血管外科のすべての分野をカバーしています。

◆弁膜症
 弁膜症に対する外科治療は現在、人工弁置換術と弁形成術が行われています。人工弁は大別して、機械弁と生体弁に分けられ、様々な人工弁があり、当科では患者さんによって最適と思われる人工弁を選択する方針をとっています。しかし、人工弁置換術は確実な効果が期待できる反面、機械弁では血栓発生、ワーファリン服用の問題もあり、生体弁は耐久性の面で限界があります。このため、当科では人工弁を用いずワーファリン服用を必要としない弁形成術を積極的に行い、術後遠隔期のQOLの改善を目指しています。
 僧帽弁については、従来の人工弁輪や人工腱索の他、holding plastyや自己心膜を用いた後尖延長を行っており、大動脈弁についてはcentral plicationやcommissuroplastyや自己心膜を用いた弁尖延長を行っています。また、心房細動を合併した弁膜症に対しては心房細動に対するMAZE手術と弁形成術を同時に行うことによって術後、薬剤から患者さんを完全に解放する事を心がけています。
 また数年先に建設される新病棟にはHyprid ORが設置される予定ですので、重症大動脈弁狭窄症に対するTAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)も近い将来当院で開始される見通しです。

◆虚血性心疾患
 心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患に対する冠動脈バイパス術では、PTCAの適応の拡大により重症例しか手術対象とならなくなりました。従来、この手術は人工心肺を用い、心停止下に行っていましたが、近年、人工心肺を使用せず、心拍動下にバイパス術を行うoff pump coronary artery bypass grafting (OPCAB)が行われるようになり、当科でも平成9年より、このOPCABを導入し、人工心肺の使用が危険と判断した患者さんにこの手術を行ってきました。
 さらに平成13年8月からは原則として、全ての患者さんに左右の内胸動脈といった遠隔期の開存性に優れた動脈グラフトをできるだけ用いたOPCABを行う方針とし、現在まで400名の患者さんにこのOPCABを行い、良好な成績を挙げており、本邦では最高年齢と思われる95歳の不安定狭心症の方に対するOPCABにも成功しています。
 また、心筋梗塞に合併した左心室瘤や心室中隔穿孔、心破裂に対しても手術を行っており、最近では、心機能が著明に悪く、心移植の適応も考えられた虚血性心筋症の患者さんに対し、まずOPCABまたはon pump beating bypassを行い、次に左室形成術や僧帽弁形成術を行うなど手術侵襲をできるだけ少なくするなどの術式の改良を行い、良好な成績を上げています。

◆大動脈疾患
 近年、高齢化社会の到来とともに大動脈瘤疾患が増加し、急性解離性大動脈瘤や破裂性大動脈瘤などの緊急手術が増えてきました。
 胸部大動脈瘤では手術中の脳保護が問題であり、当科では近赤外線脳内酸素飽和度モニターを用い、超低体温循環停止法に脳分離体外循環法、逆行性脳潅流法を使い分け、良好な成績を得ています。
 また、大動脈瘤疾患に対し、患者さんの侵襲を少なくするため、最近ステントグラフトによる人工血管移植術が開発されていますが、当院でも倫理委員会の承諾を得て、平成12年9月より遠位弓部大動脈瘤に対して、open surgeryによるステントグラフト移植術を開始し良好な結果を得てきています。オープンステントを用いた全弓部置換術を現在まで66名の患者さんに行い、日本全国で第3位の症例数を誇っております。
 また新病棟建設の折にヘリポートが設置されれば、大動脈解離等で緊急手術が必要な患者さんの搬送が京都府全域から可能となる見込みです。

◆成人先天性心疾患への取り組み
 心臓血管手術の急速な進歩に伴い、幼少期に心臓の手術を受けられた患者さんが続々と成人期に達せられ、その患者さんを誰が診るのか、また次の段階の手術が必要になった際、誰が手術をするのかが、世界中で問題となってきております。これまで私共は成人先天性心疾患の治療に取り組んで参りました。京滋地区における成人先天性心疾患の医療を当院で推進し中心的役割を担うべく努力してまいります。

 

 「成人先天性心疾患外来」開設のお知らせ(2016年2月)

スタッフ

職 名 名 前 卒業年度 専 門 資 格
部長 平松
平松 健司
S59 心臓血管外科
成人先天性心疾患
三学会構成心臓血管外科専門医認定機構
       心臓血管外科専門医・修練指導医
日本外科学会外科専門医・指導医・認定医
日本胸部外科学会指導医・認定医
日本小児循環器学会評議員
医学博士 
東京女子医科大学准教授
副部長 Dr_yamasaki201610山崎 琢磨 H13 心臓血管外科 日本外科学会外科専門医
日本心臓血管外科専門医
日本胸部外科学会専門医
日本血管外科学会腹部ステントグラフト実施医・指導医
日本血管外科学会胸部ステントグラフト実施医
東京女子医科大学医学博士
医 師 松崎 雄一 H22   日本外科学会外科専門医
日本血管外科学会腹部ステントグラフト実施医・指導医
日本血管外科学会胸部ステントグラフト実施医
米国胸部外科学会(STS)会員
東京女子医科大学医学博士
医 師 法里 優 H26    

患者会

◆『かまんざ心臓病予防と対策友の会』のご案内
 三大成人病の一つであります心臓病の数は年々増加しており、当院においても心臓手術、経皮的冠動脈形成術など急性期医療を受けられる患者さんが増えているところですが、患者さんは疾患の性格上、生涯をかけて日常生活に留意しつつ、外来診療を受けなければならず、その精神的重圧はきわめて大きいものだと考えられます。このような点から当院通院患者さんより、患者の会のようなものを作り、同じ病気をもつもの同士で親睦を図り、励まし合いながら、医療従事者の協力を得つつ、病気の再発を予防していきたいとのご意見が少なからずあり、『かまんざ心臓病予防と対策友の会』を結成しました。
第1回開催は、平成12年10月7日京都全日空ホテルにて特別講演として、女優の仁科亜季子さんをお呼びし、以後定期的に特別講演、懇親会を開催しており、今後も本会を発展させていきたいと考えておりますので、皆様方のご参加をお待ちしております。
 なお、詳細につきましては、当院医療社会事業部にお問い合わせください。

手術実績

手術症例数 (2016年1月~2016年12月)

CABG単独  16例 
弁膜疾患  30例 
胸部大動脈瘤疾患  58例 
先天性心疾患  2例 
腹部大動脈瘤疾患  32例 
その他(シャント、varix等)  43例 
合計  181例