整形外科

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診療方針(特色)

 救命センターを受診する重篤な外傷などの急性期疾患から、近隣の先生方を中心に遠方からも紹介を受ける慢性疾患まで幅広い症例の治療を行っています。

  1. 関節外科 股関節外来では変形性股関節症、寛骨臼(臼蓋)形成不全、大腿骨頭壊死症、リウマチ性股関節症、股関節唇損傷などの疾患を対象としています。股関節疾患の症状としては股関節痛、時には腰痛、膝痛、下肢全体の痛み、可動域制限(靴下がはきにくい、しゃがめない、あぐらがかけないなど)、歩行障害、脚長差などがあげられ、これらの症状によって日常生活が制限されます。まず、診断と評価が重要で、個々の患者さんに応じて保存療法か手術療法を決定しています。  手術療法は比較的年齢が若く、股関節の軟骨が残存している場合には寛骨臼移動術などの骨切り術を含めた関節温存手術を行っています。また、股関節唇損傷に対しては関節鏡視下手術も行っています。しかし、関節の変形が進行した症例には人工股関節置換術(THA)を行っています。また、人工股関節のゆるみ、破損に対しては人工股関節再置換術を行っています。  人工股関節置換術(THA)においては2008年から筋腱を温存した最小侵襲手術(MIS)である仰臥位前方進入法、2018年から仰臥位前外側進入法でほとんどの症例に対して行っています。MIS手術の利点は術後の回復が早く、日常生活の復帰も早期に行えます。手術の切開は約9㎝程度で行っています。 両股関節の痛みが強く、歩行困難な患者には両側人工股関節置換術も行っています。仰臥位で手術するため手術の体位を変える必要がないため、手術時間の短縮が期待できます。また、手術中の出血量も少ないため、片側例では自己血輸血を行わず、両側例のみに自己血輸血を行っています。  THAの合併症の一つに脱臼があげられますが、脱臼を回避するために、正確なインプラントを設置が重要であります。当院では術前計画に3次元テンプレーティングを使用し、個々の症例に合わせた術前計画を行い、手術中はスマートフォンや赤外線カメラを用いたポータブルナビゲーションを使用し、より正確なインプラント設置を行うように手術を行っています。術後の動作制限に関してはMISを導入しているため、原則制限を設けず、自由な生活をしていただいています。  膝関節では変形性関節症に対しては比較的若年で活動性の高い患者さんには膝周囲の骨切り術を、比較的高齢で変形の程度が軽度の患者さんには人工膝関節単顆置換術を、変形の高度な場合には人工膝関節全置換術を施行しています。膝周囲骨切り術では変形の場所、程度に応じて様々な種類の骨切り術を使い分けて、生理的な膝関節機能を温存するようにしています。人工膝単顆置換術や人工膝全置換術においては3Dシミュレーションソフトを用いて詳細な術前計画を行い、正確な骨切りを行うよう心掛けています。
    当科では2021年9月からロボット支援人工膝関節置換術を導入しています。これは赤外線カメラで膝の位置を把握し、コンピューター上で骨を掘削する量を設定し、その量にあうようにカッティングバーが自動的に制御するシステムです。これによりインプラントの設置精度が高くなり、長期成績も向上することが期待できます。また全可動域における軟部組織バランスを骨切り前に定量可能であり、これにより患者個人に最適な軟部組織バランスを得るための骨切り量、インプラント設置位置を術中に評価することが可能となり、患者満足度の向上が期待できます。これは通常では切除することが多かった前十字靭帯を温存する人工膝関節置換術において特に威力を発揮し、活動性が高い患者さんでも自然な屈伸動作が誘導され、より高い安定性とADL動作が期待できます。さらに2022年3月からロボットの最新の後継機種を導入しており、これは従来機種より赤外線カメラの反応速度が上昇し、カッティングバーの掘削スピードが上昇しております。これにより手術時間も従来のロボットより短縮し、掘削の制度も向上しております。
    また前十字靭帯損傷に対しては解剖学的な靭帯の走行を再現する二重束再建術を施行し、スポーツ復帰の助けになるよう努めています。半月板損傷に対しては可能な限り半月板機能の温存を目指して縫合術を行っています。
  2. 手の外科・末梢神経外科 上肢の骨折・脱臼・靭帯損傷などの治療、肘部管症候群・手根管症候群などの末梢神経障害の加療を行っています。新たな関節鏡システムを導入し、手関節・肘関節疾患の関節鏡視下手術も行っています。
  3. 関節リウマチ 京都府立医科大学リウマチ診療グループの関連機関として、カンファレンスや人的交流を行い、当院リウマチ内科とも連携し、日本リウマチ学会認定施設として、生物学的製剤の使用、超音波検査やMRIといった画像診断も利用し、先進的なリウマチ診療を提供します。さらに、リハビリテーション医学、栄養学、漢方治療も併用し、ドラッグフリー寛解の達成、診断未確定な関節症状の治療、複数の疾患を抱えている患者さんへの対応を実践しています。
  4. 脊椎・脊髄外科 独自に開発した顕微鏡による小侵襲手術法により骨を切除する量、筋肉への侵襲、出血量を軽減しています。術後安静期間や在院日数を短縮し、基本的にカラーやコルセットによる外固定は必要ありません。
  5. 肩関節外科 関節鏡を用いて低侵襲に、腱板損傷・反復性肩関節脱臼の手術を行っています。
  6. 外傷外科 四肢・脊椎・骨盤の骨折や脱臼に対して早期手術を施行し、急性期リハビリテーションを提供しています。
  7. 骨粗鬆症 高齢者における転倒などの軽微な外傷による骨折の多くは骨粗鬆症が原因です。骨粗鬆症になると治癒は困難なので予防が大切です。ビスフォスホネート剤(骨吸収阻害剤)が改良され、新たなSERM剤(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)が開発されて、さらに強力な骨形成剤であるPTH(副甲状腺ホルモン)も使用できるようになりました。各症例の病態に合わせて使い分けています。

  運動器の再生外科として地域の患者さんや連携する医療施設に信頼される医療をめざしています。1)関節外科 2)手の外科・末梢神経外科 3)脊椎・脊髄外科 4)関節リウマチ 5)小児整形外科 6)スポーツ整形外科 7)外傷外科など整形外科の各分野において専門性を重視した最新の高度医療を提供します。   治療には日本整形外科学会の各種疾患治療ガイドラインを基本とした低侵襲手術を目標としています。骨折などの外傷手術は可能な限り緊急対応での早期手術で合併症の回避に努めています。

症例数・治療実績

  2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
新患患者数 2,690人 2,897人 2,609人 2,208人 1,845人 2,316人
外来患者数(1日平均) 143.7人 138.2人 134.4人 127.9人 109.6人 110.4人
新入院患者数 1,152人 1,136人 1,167人 1,221人 1,165人 1,233人
手術症例(1年間) 1,291例 1,298例 1,362例 1,397例 1,285例 1,349例
人工股関節手術 120例 121例 124例 157例 122例 162例
人工膝関節手術 106例 112例 99例 158例 106例 120例
脊椎脊髄関連手術 133例 144例 131例 122例 145例 135例
骨折手術(非観血除く) 581例 585例 551例 549例 545例 465例

連携病院・開業医の先生方へ

 我々病院整形外科は患者さんに対する良質な医療を提供するために、関連の病院および医院との役割分担を充分認識し、密接な病々・病診連携を行っています。各種専門外来を整備し、幅広くかつ専門的な医療を要する患者さんを関連の医療施設の先生方から受け入れる十分な体制があります。入院治療が終了し退院以降は速やかに関連医療施設での円滑なる治療継続ができますよう連携パスも運用しております。また、緊急患者さんの入院には地域連携室を通じて関連の先生方の要望に適切にお答えしています。

スタッフ

職 名 名 前 卒業年度 専 門 資 格

副院長
第1整形外科部長
リハビリテーション科部長

FujiwaraDr藤原 浩芳 H3 上肢関節外科
末梢神経外科 
マイクロサージャリー
日本整形外科学会 整形外科専門医・スポーツ医
日本手外科学会 手外科専門医・指導医・代議員
日本リハビリテーション医学会 専門医・指導医
中部日本整形外科災害外科学会 評議員
日本末梢神経学会 評議員
日本関節病学会 評議員
日本生体電気・物理刺激研究会幹事
中部手外科研究会 運営委員
京都府立医科大学 臨床教授
第2整形外科部長 fukuiDr福井 康人 H10 股関節外科 日本整形外科学会 専門医
日本人工関節学会 認定医
日本整形外科学会 リウマチ医
日本整形外科学会 運動器リハビリテーション医
        変形性股関節症の治療についてのインタビューはこちら⇒「人工関節ドットコム」
医 長
リハビリテーション科副部長
Dr_taniguchi2022谷口 有希子 H13 足の外科  日本整形外科学会 代議員・専門医
日本整形外科学会 スポーツ医
日本整形外科学会 リウマチ医
副部長 Dr_hirai2022平井 直文 H13 膝の外科 日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会 スポーツ医
        変形性膝関節症の治療についてのインタビューはこちら⇒「人工関節ドットコム」
医 長 喜馬 崇至 H18 肩関節外科 日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会 運動器リハビリテーション医
日本整形外科学会 スポーツ医
日本整形外科学会 脊椎脊髄病医
医 長 阪田 宗弘 H19   日本整形外科学会 整形外科専門医
日本整形外科学会 脊椎脊髄病医
医 師 國本 達哉 H22 手外科 日本整形外科学会 専門医
医 師 山本 浩基 H24 股関節外科 日本整形外科学会 専門医
医 師 井辻 智典 H25 脊椎脊髄外科 日本整形外科学会 専門医
医 師 新田 悠加 H31    
医 師 松本 源一郎 R2