小児科

診療方針

 市内基幹病院の小児科として、地域の信頼に応え、子どもや保護者に寄り添い、子どもが健全に育つことを常に支援する立場に立った診療を心がけています。
小児救急医療の充実のため、小児科医が24時間365日常駐し、かかりつけ医である開業医の先生方からの入院依頼や救急隊からの搬入要請に随時対応できるような体制をとっています。
 外来診療では一般小児科の診察に加えて、小児神経外来(けいれん性疾患、発達障碍、慢性頭痛、起立性調節障害など)、循環器外来(川崎病、先天性心疾患、不整脈など)、アレルギー外来(気管支喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎など)、腎臓外来(腎炎、ネフローゼ、蛋白尿・血尿など)、代謝・内分泌外来(糖尿病、低身長、甲状腺疾患、肥満など)、血液腫瘍外来、新生児フォローアップ外来、小児在宅医療などの専門外来を設置しています。さらに、必要に応じて各種検査入院予約も可能です。また、希望される方には乳幼児健診、予防接種の予約枠も設けています。

症例数・治療実績

■小児救急・重症患者受入実績(外科系含む)

 頻度順 2024年度
救急外来受診者数 3,076
救急車受入台数 878
ICU入院患者数 3
人工呼吸器使用患者数(継続含む) 14

 

■主な疾患別の入院患者数(2024年度)

疾患名 症例数(人)
呼吸器疾患 726
 急性肺炎・気管支炎 531
 喘息性気管支炎・細気管支炎(RSウイルス感染症含) 71
 急性上気道炎 32
 新型コロナウイルス感染症 16
 手足口病 16
 インフルエンザ感染症 14
 急性扁桃炎 11
 クループ性気管支炎 6
 その他 29
循環器疾患 52
 川崎病 49
 不整脈 2
 その他 1
肝消化器疾患 104
 急性胃腸炎 79
 急性虫垂炎 4
 腸重積 3
 潰瘍性大腸炎 3
  その他 15
腎泌尿器疾患 27
 尿路感染症 17
 急性糸球体腎炎 4
 ネフローゼ症候群 3
 その他 3
神経筋疾患 137
 熱性けいれん 68
 てんかん 13
 無熱性けいれん 12
 MELAS 10
 乳児てんかん性スパスム症候群 8
 頭痛 5
 髄膜炎 4
 腸炎関連痙攣 3
 その他 14
代謝内分泌疾患 61
 ケトン性低血糖症/アセトン血性嘔吐症 48
 周期性嘔吐症 9
 1型糖尿病 3
 その他 1
免疫アレルギー疾患 68
 アナフィラキシー 28
 気管支喘息 26
 IgA血管炎 13
 その他 1
頚部疾患 26
 頚部リンパ節炎 15
 亜急性壊死性リンパ節炎 6
 頚部膿瘍 4
 その他 1
皮膚疾患 34
 蜂窩織炎 9
 乳児血管腫 6
 その他 19
新生児疾患 70
 帝切児症候群 36
 新生児黄疸 8
 低出生体重児 6
 新生児一過性多呼吸 5
 その他 15
血液疾患 9
骨関節疾患 9
 骨形成不全症 5
 その他 4
その他の疾患 16
事故(非交通外傷) 20
検査入院 102
 食物負荷試験 51
 低身長 12
 その他 39
 総計 1,481

 

連携病院、開業医の先生方へ

 日頃より先生方には病病連携、病診連携を通じてひとかたならずご厚誼を賜りまして、誠に有難うございます。
 診療方針にも述べましたように、当科では感染症を中心とする急性疾患、小児救急疾患(1・2次救急~3次救急)、小児慢性疾患(神経、循環器、アレルギー、腎臓、代謝・内分泌、消化器、血液など)、新生児疾患、不登校・心因反応など幅広く診療しております。また、各種神経疾患、食物アレルギー、蛋白尿・血尿、低身長の精査(検査入院を含む)、複雑心奇形の術前管理、心臓カテーテル検査、腎生検などが可能で、学校心臓検診病院にもなっております。さらに、当科では院内他科との連携が密であり、どの科に紹介するか迷われる場合は、まず小児科に紹介いただいた上で他科へ対診することも可能です。
 小児科の病棟は小児病棟(C3南病棟、39床)、新生児病棟(A7ベビーセンター、10床)ですが、長期入院になる場合には京都市桃陽総合支援学校の分教室(小学校・中学校)が院内に併設され学業継続が可能な環境も整えています。また、小児3次救急疾患(溺水、窒息、急性脳症、ALTE、熱中症など)はICUで集中管理を行い、全身状態が安定した後に小児病棟へ移床するようにしています。
 原則的に、先生方からご紹介いただき入院または外来で精査・加療した患児は病態改善後に逆紹介を行い、先生方に引き続き診療していただくようにしています。
 参考までに2012~2016年の当科医局の業績リスト(著書、総説、原著、プロシーディング、報告書)も併せてお示ししましたので、御笑覧いただければ幸いです。

syounika_SIDS_big なお、2018(平成30)年2月23日(金)、24日(土)の両日、京都市国際交流会館におきまして、第24回日本SIDS・乳幼児突然死予防学会学術集会(会長:長村敏生)が開催されます。本学術集会のテーマは「乳幼児突然死予防のための多職種連携―子どもたちの健やかな育成支援をめざしてー」としました。わが国では今もなおSIDSを含めた乳幼児の原因不詳の突然死が乳幼児の死因の上位を占め、その死因究明体制は極めて未整備な状態にあります。本学会が小児科、法医学、病理学、放射線科、代謝・内分泌科、遺伝子検索、児童相談所、保健所、警察など多方面の専門分野との多職種連携を進めていくためのきっかけになれば幸いです。また、特別講演は「乳児特発性僧帽弁腱索断裂の臨床的特徴」というタイトルで、白石 公先生(国立循環器病研究センター教育推進部長・小児循環器部)に全国の疫学的データから病理組織学的検討も含めた、これまでの知見を集大成して系統的に解説していただきます。多くの先生方のご参加をお待ち申し上げております。

後期研修を希望される方へ

 平成29年度から小児科専門医研修は、京都府立医科大学小児科の専門研修プログラムにて行います。
 プログラムの詳細は、こちらをご覧ください(京都府立医科大学小児科学教室のサイトへリンクします)。

締めくくりに

 当科では小児科スタッフが子ども本人、保護者の方々と納得できるまで話し合い、スタッフ・子ども・保護者が協力し合ってチームとして病気の治療を進めていくことをモットーとしています。また、入院中には看護師による病気の応急手当の指導も行っています。
 さらに、当科では当院南隣にある京都市子ども保健医療相談・事故防止センター(京あんしんこども館)と連携して子どもの事故防止の指導にも力を入れています。京あんしんこども館(http://www.anshinkodomokan.jp/)には実際の家具を配置して家庭内の様子を再現した「子どもセイフティハウス」があり、子どもの事故がどのようなメカニズムで起こり、どのような予防対策が有効かをスタッフが直接説明してくれます。
 子どもの思いを代弁し、保護者が安心して子育てできる環境を確保し、生命力旺盛な子どもたちの健やかな成長を見守ることは私たち小児科スタッフの使命であるとともに喜びでもあります。

スタッフ

職 名 名 前 卒 年 専 門 資 格
部 長 Dr_kano2022加納 原 H7 小児血液
小児感染症
小児腎臓消化器
子育て支援
日本小児科学会・小児科専門医・指導医・代議員
日本血液学会血液専門医
ICD制度協議会インフェクションコントロールドクター(ICD)
京都府立医科大学臨床教授
副部長 藤井
藤井 法子
H8 新生児
小児アレルギー
日本小児科学会小児科専門医・指導医
日本アレルギー学会専門医(小児科)
医 長 小林 奈歩 H14 小児循環器
川崎病
日本小児科学会小児科専門医・指導医
日本旅行医学会認定医
近畿川崎病研究会世話人
日本小児突然死予防学会評議員
医 長 森岡 茂己 H14 小児神経
小児アレルギー
日本小児科学会小児科専門医・指導医
日本小児神経学会小児神経専門医
日本てんかん学会てんかん専門医・指導医
日本アレルギー学会専門医(小児科)
日本小児科医会地域総合小児医療認定医・指導者
医 師 齋藤 多恵子 H21 小児救急
遺伝性疾患
日本小児科学会小児科専門医・指導医
医 師 久保 裕 H22 小児リウマチ・膠原病
小児アレルギー
日本小児科学会小児科専門医・指導医
日本リウマチ学会リウマチ専門医・指導医
日本アレルギー学会アレルギー専門医(小児科)
医 師 岡本 賢治 H23   日本小児科学会 小児科専門医・指導医
日本血液学会 血液専門医
医 師 河瀬 泉 H29    
医 師 西村 由依 H30   日本小児科学会 小児科専門医
医 師 王 優碧 R5    
医 師 坂本 武史 R5    

参考

外来当番表

  月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
AM 1診
新患
加納 藤井 加納 森岡 藤井
2診
再来

担当医

齋藤

小児外科

岡本 河瀬
3診
専門
小林
(小児循環器)
西村 
(再診)
森岡
(小児神経)
長村
(長期フォロー)
小林
(小児循環器)
5診          
PM 1診

担当医
フォローアップ

加納
(慢性疾患)
長村
(長期フォロー)

担当医
フォローアップ

森岡
神経(初診)

2診

担当医
14:30~
予防接種
(※4週はBCG)

岡本
(血液)

 

 

担当医
14:30~
予防接種
(※4週はBCG)

担当医
(代謝内分泌) 
3診 森岡
(神経)

東道
(腎臓・消化器)

小林
(小児循環器)

藤井
(食物アレルギー)