京都第二赤十字の
スペシャリスト達
専門看護師・認定看護師の領域と人数(令和4年1月現在)
専門看護師: | がん看護 3名 精神看護 1名 |
認定看護師: | 救急看護 4名 がん性疼痛看護 1名 皮膚・排泄ケア 1名 脳卒中リハビリテーション看護 1名 摂食・嚥下障害看護 1名 慢性心不全看護 1名 小児救急看護 2名 感染管理 2名 手術看護 1名 集中ケア 1名 緩和ケア 1名 がん放射線療法看護 1名 認知症看護 1名 |



がん性疼痛看護認定看護師
/看護係長
能勢 真梨子
Q. がん性疼痛看護認定看護師を目指したきっかけは?
A. 私が最初に配属されたのは産婦人科病棟でした。婦人科系のがんで痛みのきつい方がおられ、少しでも緩和することができないかと独学でいろいろ調べたのですが、当時は系統立てて知ることは難しく、ちゃんとした知識を身に付けたいと思ったのがきっかけです。
Q. 活動内容について教えてください。
A. まず、活動の目的は治療期から終末期までの患者さんの痛みのケアです。身体の痛みがメインではありますが、精神的、社会的、霊的(スピリチュアルペイン)苦痛といった全人的な痛みを評価し、痛みのアセスメント、使われている薬の評価などを行います。それが緩和ケアを含めた治療や看護ケアに活かされ、看護師が患者さんに対して薬の作用・副作用、使用方法などを説明する際の情報ともなります。さらに、患者さんが痛みやそれ以外の症状による日常生活への支障がないかを確認しながら、セルフケア支援を行っています。また私は緩和ケアチームにも所属しており、チームとして医師や看護師、薬剤師とディスカッションすることもあります。
認定看護師は後進育成も大切な役割。私以外の看護師も安心して、そして質高く、痛みのアセスメントや薬剤の使用・評価について、患者さんやご家族に看護実践ができるよう手本となり、知識や技術の習得を支援しています。依頼があれば勉強会も開いています。
Q. 患者さんに直接アドバイスすることもあるのですか?
A. たとえば「先生にこんな風に伝えてみてくださいね」というようなアドバイスをすることもありますし、私は今、外来の放射線治療科(リニアック室)にいますので、そこで出会う患者さんやご家族には直接いろいろなお話しもします。昨年にはがん看護専門看護師をはじめとするスタッフと「看護外来」を立ち上げました。予約された患者さんの診察に同席し、がんと診断されたことに対する精神的サポートや治療方針に関する意思決定支援、生活上の工夫などの相談に乗ったり、その後のフォローを行っています。
Q. 後輩へのメッセージ、そして今後の目標を聞かせてください。
A. もし分野が違うとしても、患者さんの苦痛にぜひ関心を持ってほしいです。心身の痛みは患者さんの生活の質に大きく影響します。そこを改善すれば患者さんのストレスが和らぐだけではなく、患者さん自らの力をもっと引き出すことができますから。実際には患者さんの苦痛をすべて取り除くことは難しいでしょう。それならば患者さんが痛みと上手に付き合いながら、その人らしく生活できるようぜひともサポートしたい。そしてその思いを1人でも多くの看護師に伝えることが目標であり役割だと思っています。