診療方針
当科では思春期から成人期、更年期、老年期まで、あらゆる年代の女性の治療を行っています。
患者さんの話を詳しくお聞きし、からだの状態を十分調べたうえで、手術治療のほか薬物治療、ホルモン療法、漢方治療など、それぞれの患者さんの症状に合わせた治療を提案いたします。
かかりつけ医からご紹介いただいた患者さんに対しては、かかりつけ医と当科とで常に情報を共有し連携して治療を行います。当院で手術などの治療を受けられ術後にかかりつけ医に戻られた場合も、両者の連携により“切れ目のない治療”を継続して受けていただくことが可能です。
婦人科手術
当科では内視鏡手術を積極的に行っています。子宮・卵巣の良性腫瘍に対しては内視鏡手術を第一選択としており、初期の子宮体がん(内膜がん)でも条件を満たす場合は腹腔鏡手術が選択できます。子宮内膜ポリープや粘膜下筋腫など子宮の内腔にある良性腫瘍には子宮鏡を用いた手術を行っています。また、2025年1月より「ロボット支援下手術」を導入しました(ダヴィンチXi サージカルシステム)。安全で質の高い手術治療の選択肢が広がっています。
子宮頸部の前がん病変である「異形成」に対しては、頸部の部分切除(円錐切除術)または「レーザー蒸散術」を実施しています。レーザー蒸散術は外来(日帰り)で受けていただけます。
悪性腫瘍(がん)に対しては手術治療をはじめ、化学療法、放射線治療など他の診療科とも連携した集学的な治療を行っています。将来の妊娠をご希望の患者さんには妊孕能(妊娠できる可能性)を温存する治療法など、患者さんの生活の質(QOL)を重視した治療の提供に努めています。
手術や治療にあたっては患者さんやご家族へ治療の選択肢をできるだけわかりやすく説明し、納得したうえで治療をうけていただけるよう心がけています。
産科・周産期
当院A棟7階、見晴らしのよい最上階に産婦人科病棟(母子センター)があります。ご出産の方は個室(帝王切開では総室となる場合もあります)で、リラックスした環境でプライバシーの守られたお産が可能です。立ち合い分娩も行っております。また分娩時の苦痛を緩和する「和痛分娩」をご希望に応じ実施しています。
当科では双胎(ふたご)妊娠や妊娠中の合併症、または持病のある方の妊娠・出産など、ハイリスク妊娠にも対応しております。持病をお持ちの方についてはかかりつけ医、および当院の専門診療科と連携し、母児ともに安全に、安心して出産できるようサポートいたします。
妊娠中や出産時にはときに、妊婦さんや赤ちゃん(胎児)に突如予期せぬトラブルが発生する場合があります。当院では産科医・小児科医、助産師など専門スタッフが24時間常駐しており、また当院高度救命救急センターとも連携し母児の容体の急変にも随時対応する体制をととのえています。
安全な出産を最優先にしながら、妊婦さん・ご家族が「この病院でお産してよかった」と満足していただけるよう、スタッフ一同つねに心がけています。
当院での出産をご希望の方は紹介が無くても受診していただけます。他府県などからの里帰り分娩もうけたまわっています。詳しくは当院ホームページの「当院で出産をお考えの方へ」もご覧ください。
分娩・手術症例数
主な診療実績 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | ||||
婦人科 | |||||||||
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良 性 | 内視鏡手術 | 249 | 225 | 305 | 242 | 248 | |||
腹腔鏡 | 腹腔鏡下子宮全摘術 | 86 | 94 | 78 | 70 | 73 | |||
腹腔鏡下子宮筋腫核出術 | 28 | 20 | 41 | 13 | 19 | ||||
腹腔鏡下卵巣腫瘍手術 | 59 | 69 | 131 | 124 | 118 | ||||
腹腔鏡下子宮内膜症手術 | 36 | 27 | 23 | 13 | 11 | ||||
腹腔鏡下子宮外妊娠手術 | 10 | 7 | 12 | 6 | 12 | ||||
(以上のうち単孔式) | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | ||||
子宮鏡 | 子宮鏡下手術(筋腫・内膜ポリープ) | 16 | 18 | 20 | 16 | 15 | |||
開腹術 | 53 | 77 | 57 | 78 | 85 | ||||
腹式子宮全摘術 | 39 | 31 | 27 | 35 | 44 | ||||
子宮筋腫核出術 | 14 | 20 | 5 | 14 | 14 | ||||
卵巣腫瘍手術(境界悪性含む) | 12 | 16 | 25 | 29 | 27 | ||||
腟式手術 | 14 | 21 | 8 | 4 | 4 | ||||
子宮全摘術 | 5 | 1 | 3 | 1 | 3 | ||||
性器脱手術 | 7 | 7 | 5 | 6 | 3 | ||||
悪 性 | 子宮頸部円錐切除術 | 65 | 28 | 45 | 29 | 48 | |||
レーザー蒸散術 | – | 18 | 24 | 12 | 14 | ||||
子宮頸部浸潤癌手術 | 4 | 2 | 3 | 5 | 2 | ||||
子宮体癌手術 | 16 | 31 | 24 | 21 | 21 | ||||
開腹術 | 14 | 17 | 20 | 12 | 12 | ||||
腹腔鏡下手術 | 2 | 14 | 4 | 9 | 9 | ||||
卵巣癌手術 | 13 | 18 | 17 | 11 | 16 | ||||
外陰癌手術 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ||||
産科 | |||||||||
分娩数 | 334 | 254 | 200 | 179 | 143 | ||||
うち、双胎 | 5 | 9 | 8 | 4 | 1 | ||||
帝王切開 | 79 | 82 | 69 | 75 | 42 | ||||
帝王切開率(%) | 24% | 32% | 35% | 42% | 29% |
スタッフ
職 名 | 名 前 | 卒業 年度 |
専 門 | 資 格 |
部長 |
|
H12 | 産婦人科一般 女性ヘルスケア |
日本産科産婦人科学会・日本専門医機構 専門医 日本産科婦人科学会 指導医 日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医・指導医 日本周産期・新生児学会 専門医 日本スポーツ協会 公認スポーツドクター 京都府医師会 母体保護法指定医師 da Vinci first assistant 日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース(Aコース)修了 京都府立医科大学客員講師 |
副部長 | ![]() |
H14 | 産婦人科一般 婦人科腫瘍 |
日本産科婦人科学会・日本専門医機構 専門医 日本産科婦人科学会 指導医 日本婦人科腫瘍学会 専門医 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 京都府医師会 母体保護法指定医師 da Vinci first assistant 日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース(Aコース)修了 |
医 長 | 秋山 誠 | H20 | 産婦人科一般 婦人科内視鏡手術 |
日本産科婦人科学会・日本専門医機構 専門医 日本産科婦人科学会 指導医 日本婦人科内視鏡学会 技術認定医(腹腔鏡) da Vinci console surgeon 日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医 京都府医師会 母体保護法指定医師 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 日本医師会認定産業医 |
医 師 | 田原 菜奈美 | H24 | 日本産科婦人科学会・日本専門医機構 専門医 日本産科婦人科学会 指導医 日本女性医学学会 女性ヘルスケア専門医 京都府医師会 母体保護法指定医師 |
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医 師 | 小嶋 哲 | H29 | 産婦人科一般 | 日本産科婦人科学会・日本専門医機構 専門医 da Vinci first assistant 日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース(Aコース)修了 |
医 師 | 末次 雅保 | R4 | 日本周産期・新生児医学会 新生児蘇生法「専門」コース(Aコース)修了 |
外来当番表
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | |
新患 |
楳村 |
秋山(誠) |
小嶋 |
田原 | 加藤 |
再来 | 小嶋 |
田原(1・3・5週) |
楳村 | 加藤 (再診・腫瘍) |
秋山(誠) |
妊婦健診 | 田原 |
小嶋 |
助産師 | 担当医 | 末次 |
専門外来 | PM:藤田(再診) |
PM:楳村・加藤 |
PM:福岡 (1・3・5週) |
PM:担当医 (1・3・5週) |
担当医 |