本コンテンツは、医師の方を対象とし、当医療機関についての理解を深めていただけるよう作成しているものであり、一般の方を対象とする宣伝・広告等を目的としたものではありません。

泌尿器科 部長
京都第二赤十字病院 泌尿器科部長の邵 仁哲(そう じんてつ)と申します。
当科では泌尿器科領域の疾患全般を扱っておりますが、その中でも癌(腎癌、腎盂尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣癌)、尿路結石症、前立腺疾患をメインとし、エビデンスにもとづいた最新医療の提供を心掛けています。
内視鏡治療にも積極的に取り組んでおり、腎・副腎疾患に対する腹腔鏡治療、腎盂鏡・尿管鏡による診断・治療などにも特色を有しています。
本日はその中でも、2025年10月に導入した低侵襲手術支援ロボット ダビンチの最新機種である「ダビンチ5」を用いた当科の新しい取り組みについてご紹介いたします。
術後の患者負担を大きく軽減 前立腺癌に対するロボット支援手術
ダビンチは、低侵襲技術を用いて複雑な手術を可能とするために開発されました。高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像のもと、人間の手の動きを正確に再現する装置です。
術者は鮮明な画像を見ながら、人の手首よりはるかに大きく曲がって回転する手首を備えた器具を使用し、精緻な手術を行うことができます。患者さんにはよく「ロボットが手術をしてくれるのですね。」と質問されますが、ロボット支援手術は完全に医師の操作によって実施されます。
泌尿器科の癌領域では、現在罹患率男性1位の前立腺癌に対して、このダビンチを用いたロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(RARP)を行っています。
RARPは、以前の開腹手術と比べて短い入院期間で、出血量も少なく抑えることができます。また術後の尿失禁などの合併症もかなり軽減させることができ、非常に低侵襲なすぐれた手術法と言えます。
患者QOL向上の更なる追及 先進的技術を駆使した当科の取り組み
当院ではさらに、手術中に経直腸超音波にてリアルタイムに前立腺や重要な隣接臓器を描出することにより、腹腔鏡だけでは認知できない死角を確認することを可能にする先進的技術を用いています。
術中超音波のセッティング

これはリアルタイム超音波ガイダンス法という、京都府立医科大学でも実践されている世界をリードする技術です。
この先進的画像誘導技術により、術者が腹腔鏡だけでは見えないがん病巣の存在部位を確認することが可能になり、腫瘍の完全切除率の向上と合併症の低減が期待できます。
術中のリアルタイム超音波ガイダンス法

この、リアルタイム超音波ガイダンス法は、術後尿失禁の早期改善や勃起機能温存の向上による、術前から術後への生活の質(QOL)の維持への貢献が期待できます。
地域の先生方と連携した患者さんの経過観察
前立腺癌治療は継続的な経過観察が非常に重要であり、そのためにはかかりつけ医の先生方との連携は不可欠です。
前立腺全摘出後と放射線療法後のいずれの場合であっても3か月に1回のPSA測定をお願いしております。
再発基準を超えた場合や、再度受診が必要な所見を認めた場合には、当院までご紹介ください。
前立腺癌治療後 患者さんの経過観察について

腎癌
また腎癌に対しては、ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術(RAPN)またはロボット支援腹腔鏡下腎摘除術(RARN)を、進行した膀胱癌に対してはロボット支援下腹腔鏡下膀胱全摘術(RARC)を導入し、患者さんに対してできる限り安全で低侵襲なQOLの良い治療を行うことを目標にしております。
腎癌については手術療法(ロボット、腹腔鏡)以外に進行性腎癌に対し分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬による薬物治療、放射線療法などを行っています。
RAPNに関しては現在のところ、T1a以下の腫瘍に限定しておりますが、症例によっては今後T1bなど、適応拡大を検討しております。
膀胱癌についてはstageにより手術、膀胱内注入療法、化学療法、免疫チェックポイント阻害薬、動注療法、放射線療法を選択しています。
手術はほとんどが内視鏡手術で、浸潤性膀胱癌に対しては膀胱全摘術あるいは症例を選んで動注療法を行い膀胱温存を試みています。膀胱全摘術の際の尿路変更では、回腸利用新膀胱、回腸導管、尿管皮膚瘻を症例により選択しています。
先生方へのメッセージ
前立腺癌や腎癌に限らず、泌尿器科疾患に関しては地域医療連携室経由で外来の予約を受け付けております。また前立腺癌の治療後の患者は基本的に逆紹介を行い、再発による当院への再紹介の基準も設けております。
PSA高値(前立腺癌陰性)患者さんの経過観察について

このダビンチを駆使して、地域の患者さんや先生方のご期待に応えることができますように努力してまいる所存ですので、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
スタッフ紹介
性機能障害
男性不妊症
男性更年期障害
ロボット手術
日本泌尿器科学会 日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器腹腔鏡技術認定証・審査委員
日本内視鏡外科学会 泌尿器腹腔鏡技術認定証
日本性機能学会 理事・教育委員長
テストステロン治療認定医
ロボット支援手術プロクター認定制度認定証
京都府立医科大学 客員教授・臨床教授
日本アンドロロジー学会 評議員
日本Men’s Health学会 評議員