低侵襲手術支援ロボット Ⅾa Vinci 5(2025年10月稼働)
最新手術支援ロボット「 Ⅾa Vinci 5」を導入
― 低侵襲かつ安全性の高い外科手術を実現 ―
京都第二赤十字病院(院長:魚嶋伸彦、所在地:京都市)は、2025年10月に米国IntuitiveSurgical社製の最新手術支援ロボット「daVinciSurgicalSystem5」を導入しました。
「ダビンチ5」は、改良された4K3Dビジョンにより鮮明な立体映像を提供し、わずかな血管や神経も見逃さない視野を実現します。さらに、触覚フィードバック機能により術者は力加減を感じながら操作でき、より安全な手術が可能になります。新しいインストゥルメント設計は操作性を高め、より繊細な縫合や切除が可能。セットアップ時間も短縮され、手術室の効率も向上します。
当院ではこれまでもロボット支援下手術を積極的に展開してきましたが、今回の導入により、泌尿器科、消化器外科、婦人科、呼吸器外科と幅広い診療科での活用を予定。術後の回復期間短縮や合併症リスク低減を通じ、地域の皆さまへ先進的で安心できる医療を提供します。
京都・滋賀エリアにおける最新モデルの導入は初となり、高度急性期病院としての先進的外科治療体制の確立を進めてまいります。
- 初症例
- 2025年10月30日(木) 泌尿器科 ロボット支援腹腔鏡下腎摘出術
Da Vinci 5 特徴
1
大幅に向上した
データ処理能力
従来モデルの10,000倍以上のコンピュティングパワー(データ処理能力)を搭載。手術中の判断力を高めより繊細な操作が可能。
2
力覚フィードバック機能
器具の先端から術者の手に「力を感じる」新機能が追加。術者は組織を押したり引いたりする際の力加減をより直感的に把握でき、より安全な操作を実現。
3
改良された
高精細3D映像表示
映像の解像度が従来モデルの4倍以上に向上。血管・神経・微細構造など今まで以上に術者へ優れた視認性が提供され、手術精度や安全性が向上。
4
術者の快適性・
操作性の向上
より高度なエルゴノミクス(人間工学)に基づいた快適な操作環境、術者自身による機器制御などにより、スムーズで精度の高い手術が可能。
5
手術データの収集・
分析・活用
データ処理能力の大幅な向上により多くのデータ収集・分析・活用が可能。それにより治療実績の向上や教育・指導への活用も可能。
ビジョンカート
Da Vinci 5 の中枢として、8K 相当の超高精細 3D 画像と AI 補正・高倍率ズームにより、奥行き感に優れた鮮明な視野により、手術者は患部を拡大視野でとらえることが可能。

サージョンコンソール
術者が操作する機器。高精細3D画像下で術者がカメラ・アームを直感的に操作でき、AIアシストと高精度制御により複雑な腹腔鏡手術も安全・確実に行うことが可能。

ペイシェントカート
Da Vinci 5は、改良されたアーム制御により4本すべてのアームで高精細3Dカメラや鉗子を使用でき、全方向で滑らかな動きと人の手を超える微細操作を実現。進化した制御アルゴリズムと新型鉗子により精密な縫合・切開が可能。

低侵襲手術支援ロボット Da Vinci Xi
Ⅾa Vinci Xiを使用される患者さんのメリット
身体的な負担が少ない腹腔鏡下手術の特長を生かしながら、人の手による手術の問題点をロボットの機能で克服
メリット1
低侵襲手術のため、身体への負担が軽く術後の回復が早い
メリット2
複雑かつ繊細な手術が可能で合併症が少ない
メリット3
入院期間が短く、術後の痛みも少ない

当院で実施可能なロボット(Ⅾa Vinci Xi)支援手術
泌尿器科
- 前立腺悪性腫瘍手術
- 膀胱悪性腫瘍手術
- 腎悪性腫瘍手術
- 腎盂形成手術
外科
- 直腸腫瘍手術
- 胃悪性腫瘍手術
- 結腸悪性腫瘍手術
- 膵体尾部手術
呼吸器外科
- 肺悪性腫瘍手術
- 縦隔腫瘍手術
婦人科
- 子宮全摘出手術
2025年1月から手術開始
ダヴィンチ手術について
ダヴィンチ執刀医からのメッセージ
泌尿器科 部長 邵 仁哲

- 泌尿器科領域:前立腺・腎臓・膀胱
当科では、前立腺がん、腎臓がん、膀胱がんの治療の選択肢としてダヴィンチを用いたロボット支援下での手術を行っております。ダヴィンチを用いて手術を行うことのメリットとして、以前の開腹手術と比べて短い入院期間で、出血量も少なく抑えることができ、術後の尿失禁などの合併症もかなり軽減させることができるなど非常に優れた手術法です。
患者さんに対してできる限り安全で身体的負担の少ない低侵襲な手術を推奨しており、術後のQOLの良い治療を行うことを目標にしております。
外科 医長 荒谷 憲一

- 外科領域:胃
当院には最新鋭の手術支援ロボットであるダヴィンチXiが導入されており、胃がんに対しても2023年4月からダヴィンチXiによる手術を開始、多くの患者さんに対して行っておりますが、出血量や合併症が少なく、良好な成績が得られております。ロボット支援下手術は患者さんの傷が小さいだけでなく、執刀医が3Dの高精度画像を見ながら、コンピューターによる手振れ補正機能および多くの関節を有することで極めて繊細で安全な操作が可能な点で優れています。また、従来の腹腔鏡下手術に比べて胃に近い膵臓の損傷が軽減されることが日本の研究で示されたため、当科では胃がんに対してロボット支援下手術を第一選択としています。
外科 医長 水谷 融

- 外科領域:大腸(直腸・結腸)
2022年消化器外科領域のロボット支援下手術部門を自身が当院で立ち上げました。大腸の中でも直腸は骨盤深部に位置しており、手術難度が高くなっています。また近年は、直腸がんに対しても、患者さんに負担をかけない腹腔鏡下手術が広まっています。従来の腹腔鏡下手術で使用する直線的な機器では、直腸がんで必要な骨盤深部での精緻な手術操作が困難でしたが、ロボット支援下手術は、拡大視効果がある3Dモニターを見て、手ブレ補正機能がついた機器がフレキシブルに操作できるため、腹腔鏡手術よりさらに精度の高い手術が可能となります。特に、直腸がん治療に求められる機能温存・根治手術(排便機能・排尿機能・性機能を温存した根治手術)に関しては、ロボット支援下手術の利点が発揮できると考えております。当科では、日本内視鏡外科学会技術認定医2名、日本ロボット外科学会専門医2名、ロボット支援手術術者Certificate3名で診療を行なっており、患者さんの周術期の負担が軽減されるようチーム一丸で、より一層安全で高精度な手術を提供できるように心がけております。
ダヴィンチで手術ができるかどうかを判断するには術前の診察が必要となりますので、まずはかかりつけ医・主治医にご相談し、初診外来をご予約ください。