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形成外科
傷あとに関する症状を治療する

瘢痕拘縮形成術

傷あとが引きつれて、身体の動きを妨げる状態を「瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく)」といいます。これを治療するのが瘢痕拘縮形成術です。傷あとの組織は硬く縮んだ状態になっているので、その部分を切り取ることで、周囲の皮膚に柔軟性を回復させ、引きつれが解除されます。傷あとを切除し引きつれを解除すると、皮膚・皮下組織が足りない部分が生じることがあります。これを上記の局所皮弁術や植皮術で補って、身体の動きをスムーズにします。傷あとを切除し、その傷を縫い閉じる際には、傷あとをジグザグに加工して縫い上げることがあります。傷あとをジグザグにすることで、傷全体に柔軟性を持たせて引きつれを予防することができます。また、小さい傷の場合は、傷の全体像をぼかして目立ちにくくする効果があります。関節部の場合、関節のしわに沿う部分が多くなるよう、ジグザグに縫います。

肥厚性瘢痕・ケロイドの治療

肥厚性瘢痕およびケロイドは、いずれもケガや手術の傷あとが盛り上がって赤く硬くなった状態です。元の傷の範囲を超えないものを肥厚性瘢痕、元の傷の範囲を超えて大きくなるものをケロイドと呼びますが、いずれも類似した状態で、痛みやかゆみを伴うことがあります。肥厚性瘢痕・ケロイドの治療はいくつかの方法を組み合わせて行います。

内服薬

トラニラストという薬を1日3回服用します。副作用はあまりありませんが、膀胱炎症状や肝機能障害が起こることがあります。飲んですぐに傷が良くなるというものではなく、数か月継続して初めて効果が期待できます。

外用薬

ステロイドを含んだテープを傷に貼ります。全身への副作用は特にありませんが、正常な皮膚の部分に貼ると、皮膚が薄くなり血管が目立ってきますので、ケロイドの部分にだけテープが当たるように、小さく切って貼ります。テープがどうしても合わない方には、軟膏を塗っていただくこともあります。

注射薬

ステロイドをケロイド部分に注射します。約1か月ごとに、数回治療を行います。ステロイドテープに比べると、効き目が早いです。

手術

ケロイドは切除しても再発することも多いですが、引きつれが強い場合や、ケロイドのボリュームを減らして外用薬での治療をやりやすくするために、切除手術を行うことがあります。

放射線治療

手術治療のみでは再発する可能性が高い場合、手術後に放射線を当てます。決められた線量を3日間に分けて当てます。ケロイドのできやすさ・治療の効果は、個人の体質や傷の場所によって、大きく異なります。再発することも多く、きれいに治すことが難しい場合もあります。ご希望と傷の状態に合わせて治療を選択します。