診療科・部門・センター
整形外科

科の紹介

当院の整形外科の特徴は多発外傷を含めた骨折、関節外科(股関節・膝関節、肩関節、足)、手の外科、脊椎外科を中心とした診療を行っています。

分野ごとに専門医を擁し、可能な限り早期に対応し、機能回復、社会復帰を心掛け診療しております。

また、救命センターを受診する重篤な外傷などの急性期疾患から、近隣の先生方を中心に遠方からも紹介を受ける慢性疾患まで幅広い症例の治療を行っています。

整形外科は完全紹介予約制を導入しています。予約がない場合は、近隣医療機関をご案内させていただく場合もございます。(緊急の場合はこの限りではございません)

主な対象疾患

股関節外科

股関節外来では変形性股関節症、寛骨臼(臼蓋)形成不全、大腿骨頭壊死症、リウマチ性股関節症、股関節唇損傷などの疾患を対象としています。股関節疾患の症状としては股関節痛、時には腰痛、膝痛、下肢全体の痛み、可動域制限(靴下がはきにくい、しゃがめない、あぐらがかけないなど)、歩行障害、脚長差などがあげられ、これらの症状によって日常生活が制限されます。まず、診断と評価が重要で、個々の患者さんに応じて保存療法か手術療法を決定しています。手術療法は比較的年齢が若く、股関節の軟骨が残存している場合には寛骨臼移動術などの骨切り術を含めた関節温存手術を行っています。また、股関節唇損傷に対しては関節鏡視下手術も行っています。しかし、関節の変形が進行した症例には人工股関節置換術(THA)を行っています。また、人工股関節のゆるみ、破損に対しては人工股関節再置換術を行っています。

人工股関節置換手術支援ロボット「ROSA Hipシステム」導入

人工股関節置換術(THA)においては2008年から筋腱を温存した最小侵襲手術(MIS)である仰臥位前方進入法、2018年から仰臥位前外側進入法でほとんどの症例に対して行っています。

また、2022年11月より、人工股関節置換手術支援ロボットROSA Hip(ロザ・ヒップ) システムを関西で初めて導入しました。MIS手術の利点は術後の回復が早く、日常生活の復帰も早期に行えます。手術の切開は約9㎝程度で行っています。 両股関節の痛みが強く、歩行困難な患者には両側人工股関節置換術も行っています。仰臥位で手術するため手術の体位を変える必要がないため、手術時間の短縮が期待できます。また、手術中の出血量も少ないため、片側例では自己血輸血を行わず、両側例のみに自己血輸血を行っています。THAの合併症の一つに脱臼があげられますが、脱臼を回避するために、正確なインプラントを設置が重要であります。当院では術前計画に3次元テンプレーティングを使用し、個々の症例に合わせた術前計画を行い、手術中はスマートフォンや赤外線カメラを用いたポータブルナビゲーションを使用し、より正確なインプラント設置を行うように手術を行っています。術後の動作制限に関してはMISを導入しているため、原則制限を設けず、自由な生活をしていただいています。

変形性股関節症について

体重を支えている股関節が変形し、痛みが生じる変形性股関節症の治療のうち、ロボットを用いた人工股関節手術についてご紹介します。

膝関節外科

膝関節では、変形性関節症に対しては比較的若年で活動性の高い患者さんには膝周囲の骨切り術を、比較的高齢で変形の程度が軽度の患者さんには人工膝関節単顆置換術を、変形の高度な場合には人工膝関節全置換術を施行しています。膝周囲骨切り術では変形の場所、程度に応じて様々な種類の骨切り術を使い分けて、生理的な膝関節機能を温存するようにしています。人工膝単顆置換術や人工膝全置換術においては3Dシミュレーションソフトを用いて詳細な術前計画を行い、正確な骨切りを行うよう心掛けています。

当科では2021年9月からロボット支援人工膝関節置換術を導入しています。これは赤外線カメラで膝の位置を把握し、コンピューター上で骨を掘削する量を設定し、その量にあうようにカッティングバーが自動的に制御するシステムです。これによりインプラントの設置精度が高くなり、長期成績も向上することが期待できます。また全可動域における軟部組織バランスを骨切り前に定量可能であり、これにより患者個人に最適な軟部組織バランスを得るための骨切り量、インプラント設置位置を術中に評価することが可能となり、患者満足度の向上が期待できます。これは通常では切除することが多かった前十字靭帯を温存する人工膝関節置換術において特に威力を発揮し、活動性が高い患者さんでも自然な屈伸動作が誘導され、より高い安定性とADL動作が期待できます。

次世代型人工膝関節手術支援ロボット「CORI」の導入

2022年3月からロボットの最新の後継機種を導入しており、これは従来機種より赤外線カメラの反応速度が上昇し、カッティングバーの掘削スピードが上昇しております。これにより手術時間も従来のロボットより短縮し、掘削の精度も向上しております。

また、前十字靭帯損傷に対しては解剖学的な靭帯の走行を再現する二重束再建術を施行し、スポーツ復帰の助けになるよう努めています。半月板損傷に対しては可能な限り半月板機能の温存を目指して縫合術を行っています。

変形性膝関節症について

変形性膝関節症は膝関節の軟骨が摩耗し、関節が変形する病気です。病気が進行すると痛み、歩行障害のため人工膝関節手術が必要になります。

手の外科・末梢神経外科

肘、手、指の骨折や脱臼だけでなく靭帯・神経・腱の断裂の治療を手外科専門医が行っています。より専門的な治療が必要な腕神経叢損傷やTFCC(三角繊維軟骨複合体)という手関節の靭帯の治療も行っています。また、末梢神経の圧迫で起こる手根管症候群・肘部管症候群・胸郭出口症候群、使いすぎで生じるばね指やドケルバン腱鞘炎、軟骨がすり減って生じる変形性関節症(へバーデン結節、ブシャール結節、母指CM関節症)の患者さんも多く紹介されてきます。さらに、顕微鏡を用いて細やかな神経や血管をつなぐ手術(マイクロサージャリー)を用いて切断された指をつなぐことができる数少ない施設になっています。

関節リウマチ

京都府立医科大学リウマチ診療グループの関連機関として、カンファレンスや人的交流を行い、当院リウマチ内科とも連携し、日本リウマチ学会認定施設として、生物学的製剤の使用、超音波検査やMRIといった画像診断も利用し、先進的なリウマチ診療を提供します。さらに、リハビリテーション医学、栄養学、漢方治療も併用し、ドラッグフリー寛解の達成、診断未確定な関節症状の治療、複数の疾患を抱えている患者さんへの対応を実践しています。

脊椎・脊髄外科

独自に開発した顕微鏡による小侵襲手術法により骨を切除する量、筋肉への侵襲、出血量を軽減しています。術後安静期間や在院日数を短縮し、基本的にカラーやコルセットによる外固定は必要ありません。

脊椎変性疾患について

脊椎変性疾患により神経(脊髄や馬尾)が圧迫をうけると、手や足の動かしにくさ、しびれ、痛み、歩きにくさなどの症状が出る場合があり、日常生活動作に影響を及ぼします。
当院では脊椎変性疾患に対して、安全で侵襲の少ない手術に取り組んでいます。

肩関節外科

関節鏡を用いて低侵襲に、腱板損傷・反復性肩関節脱臼の手術を行っています。

外傷外科

四肢・脊椎・骨盤の骨折や脱臼に対して早期手術を施行し、急性期リハビリテーションを提供しています。

骨粗鬆症

高齢者における転倒などの軽微な外傷による骨折の多くは骨粗鬆症が原因です。骨粗鬆症になると治癒は困難なので予防が大切です。ビスフォスホネート剤(骨吸収阻害剤)が改良され、新たなSERM剤(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)が開発されて、さらに強力な骨形成剤であるPTH(副甲状腺ホルモン)も使用できるようになりました。各症例の病態に合わせて使い分けています。

スタッフ紹介

藤原 浩芳
副院長
第1整形外科部長
リハビリテーション科部長
卒業年
H3
専⾨領域
上肢関節外科
末梢神経外科
マイクロサージャリー
認定医・専⾨等資格
日本整形外科学会 整形外科専門医・スポーツ医
日本手外科学会 手外科専門医・指導医・代議員
日本リハビリテーション医学会 専門医・指導医
中部日本整形外科災害外科学会 評議員
日本末梢神経学会 評議員
日本関節病学会 評議員
日本生体電気・物理刺激研究会 幹事
中部手外科学会 運営委員
京都府立医科大学 臨床教授
福井 康人
第2整形外科部長
卒業年
H10
専⾨領域
股関節外科
人工関節(股関節・膝関節)
認定医・専⾨等資格
日本整形外科学会 専門医
日本人工関節学会 認定医
日本整形外科学会 リウマチ医
日本整形外科学会 運動器リハビリテーション医
平井 直文
副部長
卒業年
H13
専⾨領域
膝の外科
認定医・専⾨等資格
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会 スポーツ医
阪田 宗弘
医長
卒業年
H19
専⾨領域
脊椎脊髄外科
認定医・専⾨等資格
日本整形外科学会 整形外科専門医
日本整形外科学会 脊椎脊髄病医
日本脊椎脊椎病学会 脊椎脊髄外科指導医
國本 達哉
医長
卒業年
H22
専⾨領域
手外科
認定医・専⾨等資格
日本整形外科学会 専門医
南 昌孝
医師
卒業年
H24
専⾨領域
肩関節外科
肘関節外科
認定医・専⾨等資格
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会 スポーツ医
日本スポーツ協会 スポーツドクター
日本骨折治療学会 リバース型人工肩関節 実施医
佐藤 佳衣
医師
卒業年
R2
林 大奨
医師
卒業年
R5
谷口 大吾
非常勤医師
卒業年
H11
専⾨領域
関節リウマチ
認定医・専⾨等資格
日本整形外科学会 専門医
日本リウマチ学会 指導医・専門医・評議員
日本リハビリテーション医学会 専門医
日本東洋医学会 専門医
日下部 虎夫
非常勤医師
卒業年
S47
専⾨領域
小児整形外科

外来診療担当医表

  • 1診新患(完全紹介予約制)
月曜日火曜日水曜日木曜日金曜日
1診藤原
谷口(有)
佐藤
福井
喜馬
阪田
國本
平井
岸田

2診井辻平井
(膝/スポーツ)
福井
(股関節/人工関節)
阪田
(脊髄/脊椎)
藤原
(手・末梢神経)
3診AM岸田佐藤喜馬
(肩)

(肩・肘)
 谷口(有)
(足)
PM奥田 
(手・末梢神経)
4診AM谷口(大)
(リウマチ)
 日下部
(小児/股関節)
 林國本
(手/末梢神経)
PM骨粗リエゾン外来(隔週)
5診PM   立入
(骨粗鬆症)
 

診療実績

2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度
新患患者数1,845人2,316人2,395人2,026人1,959人
外来患者数(1日平均)109.6人110.4人115.8人109.2人109.9人
新入院患者数1,165人1,233人1,322人1,295人1,338人
手術症例(1年間)1,285例1,349例1,504例1,413例1,524例
手外科手術228件291件372件411件424件
人工股関節手術122例162例199例241例266例
人工膝関節手術106例120例111例119例109例
脊椎脊髄関連手術145例135例173例151例221例
骨折手術(非観血除く)545例465例524例508例469例

医療関係者の方へ

我々病院整形外科は患者さんに対する良質な医療を提供するために、関連の病院および医院との役割分担を充分認識し、密接な病々・病診連携を行っています。各種専門外来を整備し、幅広くかつ専門的な医療を要する患者さんを関連の医療施設の先生方から受け入れる十分な体制があります。入院治療が終了し退院以降は速やかに関連医療施設での円滑なる治療継続ができますよう連携パスも運用しております。また、緊急患者さんの入院には地域連携室を通じて関連の先生方の要望に適切にお答えしています。

患者さんのご紹介について

患者さんをご紹介いただく際は、お手数ですが紹介状のご協力をお願いします。