研修プログラム(歯科)

  1. プログラムの特色
     京都第二赤十字病院にて、2年コースにおける研修を実施する。研修内容においては口腔外科医療機関である特性を生かした内容を含めながら、医科歯科連携下での医療活動を研修することが可能である。
  2. 研修目標
     歯科医師としての人格育成、EBMに立脚した思考回路の形成、一般歯科治療、全身管理、口腔外科小手術の技術の習得。
  3. 研修指導体制
     毎週開催する外来症例、手術症例カンファレンスに研修医は参加し、当科の症例を包括的に経験できるように努める。日常診療においては、指導医の監督の下に診療参加を行なう。
  4. 研修内容の詳細
コース区分 内  容
第1コース
1年次4~8月
  • オリエンテーションの受講(院内、医局内)。
  • 外来、病棟、手術室において診療、処置および手術の介助を行いながら、 診断や治療の流れを理解する。

習得すべき項目

  • 正しい接遇態度を身につける。
  • 救急、救命について(1次救命と2次救命)
  • Standard precaution の理解と院内感染予防
  • 外来および病棟における各種の事務手続き
  • 診療録の作成(POS方式)
  • 画像診断
  • 検査データの分析
  • 薬剤に対する知識(効果と副作用)
  • 一般歯科治療と口腔外科手術の基本手技
  • 正しい日本語で、正確な医学用語を用い、的確な医学表現ができる。
  • 医療従事者としての自覚、倫理感、道徳観を培う。
  • 患者の個人情報保護の概念を理解する。

このコースの到達イメージ

  • 各種の事務手続きが正確にできる。
  • 問診と診療録の記入が的確にできる。
  • 診療、処置および手術の介助が確実にできる。
  • 種々の画像を正確に読影することができる
  • 検査データを分析することができる。
  • 外来、入院患者に対して使用するべき輸液や薬剤を正しく判断できる。
  • 手術記録や退院サマリーが的確に記載できる
第2コース
1年次9~3月

外来:指導医の下で外来患者の補助的診療を行う。
病棟:指導医の下で入院患者の補助的診療を行う。

習得すべき項目

  • 一般歯科治療および外来小手術の基本
  • インフォームド・コンセント
  • 医療従事者としての自覚、倫理観、道徳観を培う。
  • 歯科予防処置の実践ができる 。

このコースの到達イメージ

  • 普通抜歯ができる。
  • 一般歯科診療(歯周疾患治療、歯冠形成、充填、歯内療法,床義歯の作製など)ができる。
  • 外来小手術の術前説明と実践ができる。
第3コース
2年次

外来:指導医の下で、治療計画・治療を行う。
病棟:第二担当医として入院患者の治療計画、診療に参加する。

習得すべき項目

  • 麻酔科研修、救命救急研修を通して、全身管理と隣接医学領域への理解を深める。
  • 外来患者において、担当医を務められるようになる。
  • 地域歯科医療連携を理解し、歯科医師としての社会的活動の詳細を理解する。

このコースの到達イメージ

  • 外来診療において難症例以外は、自立して診療参加ができる。
  • 入院患者の治療計画立案ができる。
  • 症例の学術発表ができる。

各コースの詳細

第1コース

  • 外来と病棟診療の事務的処理
    保険診療算定の理解(一般的な歯科的処置に対する保険点数の算定方法の勉強会を実施)
    患者への説明方法や同意書の取り方
    コンピューター・オーダーリングシステム
    病棟診療の各種手書き指示箋の記入法
  • 問診のとり方と診療録の作成
    全身的、局所的な視診と触診法
    正しい医学用語、的確な医学的表現
    POS方式の記入
  • 口腔外科手術の基本手技
    感染予防のための知識
    局所麻酔薬と麻酔の実際
    抜歯、膿瘍切開、粘膜および骨膜の剥離、縫合の基本   止血処置
  • 画像診断
    デンタル、咬合法、パノラマX線写真、CT画像・MR画像・RI画像などの読影と読像

第2コース

  • 外来小手術の実践
    難易度の高い智歯以外の抜歯ができる。
    外来小手術の介助を行い、麻酔、切開、粘膜および骨膜の剥離、切削器具の挿入方法、骨削除,歯の 分割,縫合,止血処置などにおける実践的知識を習得する。
  • 一般歯科治療の実践
    歯冠形成、充填、歯内療法、部分床義歯の作製などを行う。
  • インフォームド・コンセント
    智歯抜歯などの外来手術の術前説明ができる。
  • 薬剤の使用法
    入院、外来症例において、使用すべき輸液や薬剤使用を判断できる。
    各種の輸液や抗生物質の基礎的使用法
    点滴手技の習得
    ショックなどの緊急時の薬剤の使用法
  • 手術記録や退院サマリーの記載法
    手術記録や退院サマリーが正しく記入できる。
    正しい医学用語、的確な医学的表現ができる。
    公的な文章作成能力を備える。

第3コース

  • 隣接医学研修を通しての全身管理能力向上
    麻酔科研修、救命救急研修を行い、医科と協調して診療を担える。
    総合病院に勤務する歯科医師として、他職種職員と連携して診療ができる。
  • 地域医療連携の意義の理解
    紹介患者の適正な経過報告ができる
  • 外来・入院診療における診療参加能力の獲得
    外来診療において自立して治療計画を立て、治療を遂行できる。(難症例を除く)
    入院診療において担当医として初期評価と診療計画立案ができる。
  • 症例の学術発表能力向上
    自己の臨床経験を検証し、学術的探究力を磨く

研修の評価方法

研修内容の評価について各コースの中間時点、終了時に行う。評価項目は以下のように設定する。

第1コース

  • 外来と病棟診療の事務的処理
  • 問診のとり方と診療録の作成
  • 口腔外科の基本手技
  • 画像診断

第2コース

  • 外来小手術の実践
  • 一般歯科治療の実践
  • インフォームド・コンセント
  • 薬剤の使用法
  • 手術記録や退院サマリーの記載法

第3コース

  • 隣接医学研修を通しての全身管理能力向上
  • 地域医療連携の意義の理解
  • 外来・入院診療における診療参加能力の獲得
  • 症例の学術発表能力向上

 研修医は各評価時点に項目について、習熟度を自己評価したコメントと、その習熟度の5段階評価を行い、レポートを指導医に提出する。指導医とともに、課題点の洗い出しと対処方法を相談する。